注目のトピックス -Bスポット療法 | 奈良市学園前駅の耳鼻咽喉科・アレルギー科『こばやし耳鼻咽喉科』
最近、『Bスポット療法をやっておられませんか?』というお問い合わせを多くいただいています。
『Bスポット療法とはどのようなものなのか?』『何に効くのか?』『Bスポット療法の良いところ、悪い所』などなど、皆さんの疑問に答えるつもりで解説していきたいと思います。
Bスポット療法とは、上咽頭(Bスポット)へ塩化亜鉛などを塗布・擦過する治療のことを言います。
上咽頭とは鼻とのどの境目にあり、呼吸をする際に最初に空気が体内に入ってくるところです。そのためホコリやばい菌の影響を受けやすくたびたび炎症を起こします。
また、上咽頭はその場所ゆえに耳鼻科医以外の医師が病気を確認しづらい場所で、そこに病気があっても診断がつかず(発見されず)、慢性化してしまうことが多かったところです。最近では内視鏡の発達により簡単に診断できて、治療が開始できるようになりました。
そういう意味で、『Bスポットとは耳鼻科医にしか確認出来ないし、診る事のできない場所』であり、『Bスポット療法とは耳鼻科医にしか出来ない医療行為』ということができます。
Bスポット療法の対象は、上咽頭炎が原因でおこる疾患や症状です。
などがあります。
慢性の上咽頭炎の治療には、抗生剤等の治療も一時的には有用ですが、なかなか完治させることができません。
塩化亜鉛を上咽頭に塗る(擦過する)ことで治療する方法がBスポット療法です。比較的古い方法ですが、内服治療よりも有用とされています。
捲綿子の場合はのどから、綿棒の場合は鼻から挿入して上咽頭を擦ります。
はじめてBスポット療法を受ける場合は実際に内視鏡で上咽頭(Bスポット)を確認して適応対象者かどうかを見極める必要がありますので、対象者かどうかも含めて少し時間をかけて治療内容をご説明する必要があります。
Bスポット療法を初めて受けようと思われた場合は、必ずその旨をお電話でまず御申し出いただき予約をお願いします。(初回は時間がかかりますので、そのつもりで予約をお取りします)
Bスポット療法は痛みを伴うことがしばしばあります。上咽頭の炎症が強い場合は特に痛みが強いことが多いです。痛みは長くて半日ほど持続します。
ただし、痛みが強いほど効果が高いと言われており、治療を続けることで痛みは薄らいでいきます。
また、薬による刺激で治療後1時間ほどは鼻や痰がでたり、出血することもありますが、徐々に収まります。食事は治療後すぐにしてもかまいません。
体の温度に近い生理食塩水で洗うことにより、通常のうがい等では洗えない場所(上咽頭)が洗い流されて粘膜の正常化に役立ちます。
また、生理食塩水を体温に近い温度で使用するため刺激が少なく、痛んだりすることもありません。1日1~2回程度の洗浄が効果的です。
自宅でできる鼻洗浄キットも当院に用意があります。はじめての方には洗い方の指導も行っています。